将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

遠山プロの対局やお知らせ、将棋界について

日本将棋連盟モバイル事業6年目に突入。振り返りと今後について

7月5日で日本将棋連盟モバイル事業は5年が経ちました。
一番最初は2010年7月5日に王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝を中継しました。
当時は普通携帯のdocomoのみで、関係者からは「他キャリアも早く!」と急かされたものです。
順次対応していき、現在はスマートフォンiPhoneAndroid)と普通携帯(docomoSoftBankau)で利用可能です。

 

会員数は順調に伸びており、これもファンの皆様のおかげです。
ここ1~2年は急激な右肩上がりとはいきませんが、年々着実に会員が増えています。
特に首都圏の将棋ファンへの普及はかなりのところまできている手応えもあります。
イベント等で「入会してます!」とか「いつも観てます!」とか声をかけていただくことも珍しくありません。

 

とはいえまだまだ会員の伸びる余地はあります。

 

一つの課題は首都圏以外の将棋ファンへの普及です。
昨年は大阪・名古屋でブースを出店しましたが、モバイル事業の普及が思ったほどではない現実を知らされました。
今夏は将棋の盛んな地域として知られる北海道でのモバイル事業の普及活動を予定しています。
さらに来年には九州地方でも普及活動が出来ないか、検討しています。

 

もう一つの課題は年配の将棋ファンへの普及です。
今はタブレットスマートフォンが広がりを見せており、画面が小さいという難点は解消されつつあります。
しかし入会手続き(アプリのDLや課金)のハードルが高いことが難点です。
年配の将棋ファンは将棋界への愛着の深い方も多く、入会すれば満足度は高いはずです。
あとは上記のハードルをどうするか。うまくクリアすれば多くのファンに喜んでいただけることでしょう。

 


中継は記録にタブレットを用いるなど、現代に合った形へと進化しています。
それに伴い、ファンの方に良い中継を提供出来るよう、運営メンバーではより良い形も模索しています。

 

モバイル事業は将棋ファンにダイレクトにつながるという長所があります。
いまは中継と対局(将棋倶楽部24)という2本柱ですが、さらに将棋普及に貢献出来ることがないか、といったことも模索しています。
強くなり続けるコンピュータ将棋(人工知能)の活用というのも一つのテーマです。
また新規ファンの獲得にもモバイル事業が貢献出来る余地があるはずです。

 

私自身モバイル編集長になってこの4月で6年目(プロデューサー兼任では2年目)に入りました。
ファン、関係者など、周りの多大なご協力によって事業も大きくなってきました。
私はモバイル事業で将棋普及に貢献することがここ数年のテーマであり、いましばらくはそのことに従事していくでしょう。
IT業界は動きが早く、立ち止まる暇はありません。今後も全力でこの事業へ取り組んでいきます。

 

6年目に入ったモバイル事業、中継・対局と応援のほどよろしくお願いいたします。

 


それではまた