将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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第4回電王戦が明日開幕!対コンピュータの作戦について

明日14日に第4回電王戦が開幕します。

開幕カードは斎藤五段-Apery。

 

将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery - 2015/03/14 09:30開始 - ニコニコ生放送

棋譜中継は日本将棋連盟モバイル独占です。

 

【電王戦FINALへの道】#67 斎藤慎太郎の作戦 ‐ ニコニコ動画:GINZA

この動画で斎藤五段が語っていますが、Aperyは振り飛車を選択する可能性が高いようです。コンピュータの振り飛車は強敵だと前々から言われていますが、果たして斎藤五段は攻略することが出来るでしょうか。

 

何故コンピュータは振り飛車が強いのか、その前に人間とコンピュータの比較を見てみたいと思います。

人間とコンピュータでは

序盤・・・人間>コンピュータ

中盤・・・人間<コンピュータ

終盤・・・人間=コンピュータ

というのが現状です。

終盤はコンピュータが強いと思われていますが、長所と短所が入り混じっており、互角よりちょっとコンピュータ寄りかな、というのが実感です。

 

振り飛車は序盤が穏やか(差がつきにくい)で中終盤が長い、という特徴があります。するとこの図式を元にすると、コンピュータ有利ということになります。

 

一方第3・4戦で棋士側が作戦を表明している(直前で変わるかもしれませんが)横歩取りは、序盤から激しく(差がつきやすく、研究が活きる)、中盤を飛び越えて一気に終盤戦に突入しやすい、という特徴があります。この図式を元にすると人間に有利な戦法となります。

 

短絡的に考えると皆横歩取りを目指すべきでは、となりますが、自分の棋風や搭載されている定跡によって進む道は異なってしまいます。

明日のAperyはどうも横歩取りを指さないよう設定されており、早い段階で角道を止めるようです。

そうなると振り飛車の将棋になるのは避けられません。

 

Apery有利か、となりそうですが、振り飛車でも序盤でいい態勢を築けば斎藤五段に勝機は十分です。

例えば私が解説を担当した

【電王戦FINALへの道】#20 斎藤慎太郎 vs Apery 1分将棋① ‐ ニコニコ動画:GINZA

こちらではAperyの振り飛車に対してうまい対策で序盤でリードを奪い、際どい終盤戦を逃げ切りました。

こういう展開が理想的でしょう。

 

Finalと銘打たれ、最後の団体戦となる第4回電王戦。どんな戦いが生まれるのか、楽しみです。まずは明日の第1戦、斎藤五段の勝利を期待したいです。

 

 

それではまた