将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

遠山プロの対局やお知らせ、将棋界について

対局結果

森下九段戦

後手で力戦から早々に戦いへ。先手だとうまくいく仕掛けと認識していた格好でしたが、後手だと一手の差が大きく戦果をあげるには至りませんでした。 互角の中盤戦でしたが一手一手が難しい将棋で、うまく均衡を保てず。少しずつ悪くなり、挽回のキッカケがつ…

佐藤(紳)七段戦

振り駒で後手になり、角換わりへ。先手の早繰り銀から囲い合う展開になりました。 形勢判断の難しい将棋で、中盤でミスを多く出してしまいました。それでも致命傷に繋がらないように指して、相手の攻め損ないに乗じて入玉寸前。しかし、自玉を突っ込めばいい…

窪田七段戦

振り駒で先手になり、相手の振り飛車に急戦で対抗。13手目には早くも駒がぶつかる激しい展開に。 力戦調の中でいい態勢を作り、有利な攻め合いに。後はどう仕留めるか、というところで決め損なってしまいました。局面の流れを急にして決め損なった代償は大き…

村中七段戦

先手で相掛かりと角換わりの中間のような展開に。こちらは堅陣、あちらはバランス重視という、現代将棋ならではの流れになりました。 互いにチャンスをつかみきれず、終盤は将棋AIの評価値が限りなく0に近い接戦に。相手が予想外の手を指してきたところで、…

高田四段戦

先手で角換わり腰掛け銀に進み、今週の日曜日に行われたタイトル戦と途中まで同様の進行に。 その将棋は持将棋だったので、こちらから手を変えました。 中盤では全体的にリードしている時間が長かったものの、決め急いだことで接戦に。とはいえ、非常に難し…

本田六段戦

後手で角換わりに進み、相手の急戦を受ける形に。先月、同じ戦型で序盤からいいところなく負けたので、少し形を変えてみました。 相手の攻めに対し、好タイミングの反撃が決まりリードを奪うことに成功。戦いが始まってから、一局通じて手がいいところに行っ…

高野秀六段戦

先手で角換わりへ。相腰掛け銀の定跡形に進みました。 実戦例の少ない突っ張った手を採用。一気に終盤戦へなだれ込む変化も秘める怖い手ですが、研究段階では大丈夫とみていたので採用しました。 深いところまで研究していた展開で、研究と経験が生きました…

阿久津八段戦

振り駒で後手になり、一手損角換わりで相手の急戦を受ける展開に。 序盤の駒組みに失敗、しかもクリンチの仕方まずく、序盤から大量リードを奪われました。以下は粘るも届かず。 阿久津八段は、序盤の構想力、中盤でリードを奪う素早さが強さです。 最初に対…

森本四段戦

後手で相振り飛車へ。互いに矢倉囲いを作ってジックリした流れになりました。 駒組みで何気なく突いた歩が主導権を握られる遠因に。 迷ったところでしたが、最近強引にいって負ける展開が続いていたのでジックリいこうと思ったのが要因でした。 組み上がって…

富岡八段戦

振り駒で先手になり、変則的な相居飛車の将棋になりました。 初めての格好で勘所が分からず、仕掛けから迷走しました。 振り飛車から居飛車党に転向した頃はこういうことがよくありましたが、居飛車党になってからずいぶん経つので、こういうことは久しぶり…

田村七段戦

後手で自ら角を交換して9筋の位を取り、バランスをとって指す新しい作戦を採用しました。 温めていた作戦で、どこかでやってみようと思っていました。 ただ、初めて指したことで勘所が分からず、駒組みに失敗。 チャンスとみた仕掛けも、実際には成立してお…

一週間(9/25~10/1)の執筆・活動記録まとめ

毎週日曜日に一週間の執筆・活動記録をまとめています。 9/27(水) 対局当日に、王座戦第3局の序盤戦術についてYahoo!ニュースに書きました。 news.yahoo.co.jp 9/28(木) 王座戦第3局の逆転劇について、Yahoo!ニュースに書きました。 news.yahoo.co.jp 10…

三枚堂七段戦

振り駒で後手になり、角換わりへ。相手の早繰り銀を受け止める流れになりました。 前例のない、珍しい仕掛けで開戦しました。 研究していた筋だったのですが、その後の指しまわしがまずくて苦戦に。 決定打を食わないよう、必死に耐える展開でした。 耐え続…

藤本四段戦

先手で相手の雁木模様に急戦を仕掛けました。 研究、経験がある格好で、駒がぶつかってすぐ有利に。 若手棋士らしいしぶとい指し回しになかなか決定打を得られないものの、リードを広げてあとはどう勝つか、という形勢でした。 しかしそこで選んだ順が最悪で…

梶浦七段戦、松尾八段戦

午前中は梶浦七段との対戦でした。 振り駒で先手になり、角換わりへ。 一気に終盤へ突入する定跡形に進み、開始20分で詰む詰まないが絡む展開に。 相手の研究が上を行っていて、リードを奪われました。 時間も一方的に使わされて苦しい流れでしたが、粘って…

平藤七段戦

先手で変則的な相掛かりへ。 7月の渡辺(和)六段戦と似た展開になり、その時の反省を生かした指し回しでリードを奪いました。 ひたすら相手の攻めを受け続ける展開で神経と時間をすり減らし続けましたが、大きなミスもなく指せたようです。 攻めたのは最後…

永瀬王座戦

振り駒で先手になり、角換わりに。 前例が2局しかない珍しい展開に進みました。 ちなみにその前例は、1号局が永瀬王座、2号局が私でした。 相手が前例から手を変えて新手を出し、そこから新しい将棋へ。 考えたことのない手で、対応に苦慮しました。 相手の…

本日(7/25)、ABEMAに出演します!

本日(25日)、ABEMA将棋チャンネルで、 第64期伊藤園お~いお茶杯王位戦第3局1日目 藤井聡太王位―佐々木大地七段 解説します。 放送は8:30~、私は10:30から最後(19時頃を予定)まで出演します。 解説と聞き手 藤井王位の2連勝で迎える第3局。 先手番で迎…

木下七段戦

振り駒で後手になり、相振り飛車へ。 相手の駒組みのセンスが良く、守勢にまわらされ、機敏な仕掛けで不利に陥りました。 苦しい中盤戦で粘り強く指せず、直線で一手負けの展開に。 終盤、勝ち筋に入ったかと思いましたが、実際は足りない形勢でした。 しか…

渡辺(和)六段戦

午前中の対局結果で対戦相手が渡辺和史六段になりました。 振り駒で先手になり、やや変則的な相掛かりへ。 序盤は作戦勝ちでしたが、方向性を誤ってリードを失い難解な中盤戦に。 後に精査してもほとんど差がないバランスの取れた戦いでしたが、こちらに攻め…

上村五段戦

後手で角換わりへ。序盤で工夫したところ、相手も工夫を出してきて見慣れぬ格好に。 急所が分かりづらい戦いで、一手一手に苦慮しました。 中盤、駒がぶつかったときには日が落ちていました。 模様の良さも感じつつ、自玉の薄さも目立つ展開で神経を使い続け…

室岡八段戦

振り駒で先手になり、相振り飛車へ。 陣形を盛り上げていき、相手の攻めを正面から受け止める展開になりました。 綱渡りのような順で凌ぎにまわりギリギリの勝負でした。 指している時は形勢がわからずに指していましたが、中盤の受けはうまくいっていたよう…

佐藤慎五段戦

先手で三間飛車に穴熊で対抗しました。 佐藤慎五段はときおり振り飛車も指す居飛車党ですが、正統な三間飛車でこられるのは予想外でした。 相手の動きに合わせて決戦に持ち込んだのが好判断で、リードして終盤へ。 あとはどう決めるかという局面でしたが、長…

門倉五段戦

振り駒で後手になり、相手の矢倉模様に雁木で対抗しました。 同日に行われていた名人戦第5局や先日の名人戦第3局と似た展開でした。 序盤がうまくいかず、中盤でもせっかくのリードをフイにする苦しい流れ。 完全に負け将棋でした。 終盤、相手が決めにきて…

瀬川六段戦、八代七段戦

午前中は瀬川六段と対戦。振り駒で先手になり、角換わりへ。 仕掛け周辺でリードを奪うも、攻め方を誤って混戦に。 時間が短い将棋なので丁寧にいったのが裏目に出ました。 ただ、丁寧に指したことで自玉が堅くて、実戦的には勝ちやすい流れだったかもしれま…

松尾八段戦

振り駒で先手になり、久しぶりに角換わりを志向。 相腰掛け銀に進みました。 相手の工夫で前例のない将棋となり、一手一手に苦労しました。 noteにその辺りの解説を書きました。 note.com 均衡のとれた激戦が続き、どちらに形勢が振れているかわからず、霧の…

藤井(猛)九段戦

振り駒で先手になり、初手▲6八銀から変則的な相振り飛車になりました。 居玉のまま積極的に駒を進め、飛車交換を迫って拒否されたところで今度は角を切って猛攻を仕掛けました。 相振り飛車ではありますが、藤井システムのおかぶを奪うような雰囲気でした。…

黒沢六段戦

振り駒で後手になり、互いに相手の出方をうかがうジリジリした序盤戦に。 結果的に相中飛車の格好になり、私が美濃(8二玉)、相手が居玉という形で戦いへ。 美濃の端にうまく戦力を集中されて、あっという間に囲いが崩壊。 こちらも相手の居玉にめがけて攻…

伊藤真六段戦

先手で相掛かりから珍しい形の序盤戦に。 後で調べたところ、20年以上前の順位戦A級の谷川ー島戦と似た展開でした。 非常に難しい将棋で、一手一手に苦慮しました。 中盤、桂損を甘受する思い切った手順がうまくいってリードを奪います。 しかし攻め方を誤っ…

八代七段戦

振り駒で後手になり、相掛かりへ。 相掛かりは幅の広い戦法で、戦法自体の想定は当たったものの、準備していたのとは全然違う序盤戦に。 それでも過去に研究していた形になり、前例との微妙な形の違いを生かした新構想を披露、、したつもりが相手の想定内だ…