将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

日本将棋連盟棋士 遠山雄亮のオフィシャルブログ

2017年度を振り返る

2017年度は勝率6割を超えて終えることが出来ました。

勝敗でみれば満足いく成績でしたが、予選のいいところで負け続け、順位差で昇級を逃し、あと一歩が届かず結果でみれば満足とはいかない一年でした。

 

2017年度は若手との対戦が大幅に増えて、全体の約3/4は年下との対戦でした。

今後その傾向が強まることが予想され、伸び盛りの若手棋士へどう対抗していくかが大きなテーマとなります。

 

定期的な研究会等を全てお休みし、コンピュータを使用した勉強法と徹底的に向き合った一年で、その方法論は自分の中で固まりつつあります。

年齢的なこともあるのか、体や心のメンテナンスにより気を配る必要性を感じた一年でもありました。

 

もうひとつ上の活躍を目指して、心技体を整える努力を継続していきます。

2018年度も応援のほど、よろしくお願い致します。

 

 

それではまた

NHK杯予選(小倉七段戦、渡辺大五段戦、井出四段戦)

2月に行われたNHK杯予選を振り返ります。

結果は、残念ながら決勝で負けました。

 

1回戦は小倉七段との対戦でした。結果的に六段昇段を決めた一局です。

 

小倉七段得意の三間飛車に対峙。

相手の攻めを受け損ない、辛抱を強いられる展開。そんな中、よく耐えました。

図は△6七金と打ち込んできたところ。

先手▲が私です。

 

 

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ここから▲6九香△7五桂▲7九桂と、必死の受け。

この後も相手の猛攻をしのぎ、159手で制勝。

耐えてつかんだ六段昇段でした。

 

 

2回戦は渡辺(大)五段戦。相掛かりに。

図は終盤戦。▲2三桂成と取ると△3五角で詰まされます。

それを踏まえた決め手があります。

先手▲が私です。

 

 

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▲3三桂成が明快な決め手。△同歩に▲2三桂成と飛車を取れば、先手玉は△3五角に▲2五玉と逃げられますし、後手玉に受けはありません。

 

しかしこの手を逃して混戦に。

終局したのはここから約90手後!入玉寸前で捕まえて213手で勝ち。

最後はうまく寄せましたが、この決め手を逃したのはいただけません。

 

 

予選決勝は井出四段戦。順位戦に続いての連戦になりました。

相手の角交換振り飛車に、序盤で定跡手順を間違えてリードを奪われました。

相手も決めきれず、こちらにチャンスがきたのが図。先手▲が私です。

 

 

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全=成銀 

 

 

この金捨ては好手で、△同玉なら▲7四成銀で優勢です。

実戦は△5一玉と逃げてきましたが、そこで▲5三金と平凡に角を取れば優勢でした。

しかし読み違いでその手を指さずに暗転。残念な逆転負けとなりました。

 

序盤での凡ミス、そして終盤での逆転負けは、1・2回戦ともに長手数で消耗しきっていたところにあります。

特に2回戦で明快な決め手を逃したことが最後の最後に響きました。

 

今期はあと一歩が届かず、悔しい思いばかりです。

ただ大きな一番に全力を尽くすことで、負けても課題が浮き彫りになります。

その課題をしっかり解決することで、来期は壁を突破したいです。

 

 2017年度のまとめは、また日を改めて記します。

 

 

それではまた

大平六段戦

後手で約2年ぶりに横歩取りを採用しました。

 

ジリジリした展開から、一気に攻めかかったのが第1図。

後手△が私です。

 

 

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△2八歩▲同金△4五角▲2六飛△同飛▲同歩△3九飛と進みました。

先に飛車を打ち込めたのは大きく、リードを奪いました。

最後△3九飛と打てるのは、図で△2八歩と打ち捨てた効果です。

 

難しいところもありましたが、以下押し切って制勝しました。

久しぶりの横歩取りは不安もありましたが、いい内容の将棋を指せました。

 

順位戦は、8勝2敗、全体の5位という結果で終わりました。

ここ数年の順位戦での成績、

出だしが1勝2敗で内容も悪かったこと、

昇級出来なかったのは残念でしたが、素直に望外の成績だと思っています。

 

今期順位戦では、阿部(光)六段、三枚堂六段といった高勝率の若手棋士に勝つことも出来て、昇級争いをしてもいいんだ、という自信をつけることができました。

いままで8勝2敗は2回経験がありますが、翌期は成績不振で順位の良さを活かせませんでした。

同じ轍を踏まぬよう、来期の開幕まで精進していきます。

 

 

それではまた

本日発売の読売新聞の藤井聡太六段特集記事に、解説が掲載されています

本日発売の読売新聞紙上で、記録4部門で1位が確定した藤井聡太六段についての特集記事が組まれています。

 

www.shogi.or.jp

 

記事中で、藤井六段の将棋の内容について、解説したものが掲載されています。

ここ1年での藤井将棋の進化についてお話しました。

 

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準備段階でデビューからの藤井将棋を並べ返してみて、改めてその進化に気付かされました。

将棋ソフトを使っているというのは見聞していますが、具体的な勉強方法も聞いてみたいものです。これだけの結果を残しているわけですし、その方法論が今後の将棋の勉強法にも大きな影響を与えるように思います。

 

全体的にも見応え十分の記事です。

ぜひご一読ください!

 

 

それではまた